映画『サマーウォーズ』は2009年に公開されたアニメーション映画で、監督は『時をかける少女』や『おおかみ子どもの雨と雪』『バケモノの子』で有名な細田守監督です。公開4ヶ月で観客動員数は123万人を超えたり、金曜ロードショーで放送されると視聴率が15%前後を叩き出したり、放送中はツイッター上でも賑わったり、その後も人気は衰えていないことがわかります。
新海誠監督とごっちゃになる人もいるようですが、絵の感じはけっこう違います。ちなみに主人公・健二の声を担当しているのは『君の名は。』でもおなじみの神木隆之介くんです。
ここではサマーウォーズのあらすじ、健二が説いた暗号、家族の家系図などをまとめます。ネタバレありです。
あらすじ
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界OZ(オズ)。OZではユーザーがアバターを使い、買い物やゲームから納税などの行政手続も行なっていた。ある日OZが人工知能ラブマシーンに乗っ取られてしまい、現実世界も混乱する。主人公の健二は得意の数学を生かし、ヒロイン夏希の家族と団結してラブマシーンをやっつける。
めちゃめちゃ簡単に書くとこんな感じです。8年前の映画なのに人工知能の暴走を描いているあたり、今見ても全然違和感がありません。というより、機械学習やディープラーニングといった人工知能のキーワードを最近では多くの場所で取り上げられており、公開当時より今見た方がしっくりするかもしれませんね。
健二が説いた暗号
物語の冒頭で、健二の携帯に数字2056桁の10進数の羅列が送られて来ます。
この前のシーンで健二が「因数分解アルゴリズム」という本を読んでいることから、この数字の羅列はRSA暗号だと考えられています。ごくごく簡単にいうと、この羅列された数字を2から順に割っていき、割り切れる数字を見つけ出せれば正解にたどりつけます。
健二がこれをRSA暗号だとわかるところに数学的才能が垣間見れます。そして解いてしまうのだから、超絶天才です。なぜなら、、
これまでのPCでの解読は2007年の768bitが最高の記録です。bitとは2進数の桁数を表しており、2056桁の数字は何bitになるかと計算するとなんと約6830bitです。
できるにはできるけど、スパコンを使ってもめちゃめちゃ時間がかかる代物です。「健二の数学力やばっ!」ということを観客に視覚的に伝えるには十分効果があったと思います。
最後のシーンで鼻血を出しながら計算しているのもこれと同じことをしているわけです。「よろしくお願いしまーす!」のシーンですね。
陣内家、家系図
映画のキャッチコピーが「つながりこそが、ボクらの武器」、ということで、憧れの夏希先輩の家族や親戚ががたくさん出て来ます。
そもそも人工知能ラブマシーンの開発に陣内家のメンバーである侘助が関わっているので、家族のゴタゴタストーリーとも思えます。
人工知能ラブマシーンとの戦い
人工知能と人間の争いはかなり前から映画のネタになることが多いです。ターミネーターもそうです。最近、人工知能同士が人間のわからない言語で勝手に会話を始め、Facebookがこの人工知能を削除した、なんてニュースがありました。「争い」のレベルになったら人間が勝てるのか半信半疑ですが、サマーウォーズでは人と人の繋がりで人工知能を打破します。
戦いでは健二と夏希に加え、佳主馬の活躍が見られます。
佳主馬 => たくさんのアカウントを乗っ取り巨大化したラブゲームに格闘ゲーム挑みます。佳主馬のアバターは「キングカズマ」。サマーウォーズにおける代表的なアバターで、コスプレするファンもいるほど人気です。
夏希 => 乗っ取られたアバターを取り戻すため、花札で勝負を挑みます。そして多くのアバターを奪取することに成功。
侘助 => 人工知能の解体を試みます。
健二 => ラブマシーンが落とそうとしている人工衛星の軌道を変えることに成功し、核施設ではなく、陣内家の敷地に落ちる。
団結してラブマシーンに挑む様子は見ていて気持ちがいいです。
名セリフ
サマーウォーズには力をくれる名言があります。
アカウントをナツキに預けます。私たちの大切な家族を、どうか守ってください。
夏希が花札で戦いを挑むシーン。多くのアバターが乗っ取られている中、ユーザーが夏希を応援しています。
よろしくお願いしまああああああああす。
ラブマシーンを撃破する最後の決め台詞がこれだったのは、陣内家に1人、赤の他人である健二が入り込んでいて、その一員になりたいから、つながりを持ちたいから。
いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいることだから
家族同士で手を離さぬように、 人生に負けないように、 もし、辛い時や苦しい時があっても、 いつもと変わらず、家族みんな揃って、 ご飯を食べること。
栄おばあちゃんに関しては名セリフが多いですが、この2つは家族のあり方、人と人の繋がりに気付かせてくれる、映画の中でもキーとなるセリフです。