ヒアリ東京上陸、刺された場合の症状と対処法、駆除方法

先月20日に神戸港に運ばれたコンテナから発見されて以降、各地で確認されているヒアリ。今月6日はついに東京品川区の大井埠頭でも発見されました。

ヒアリは南米原産のアリですが現在ではアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで確認、さらに中国では2004年に侵入が確認。日本でも2005年に特定外来生物に指定され、国内への侵入を警戒していました。今回の侵入は、ヒアリを知っていた人にとっては「ついに来たか」という感じです。

ここでは、日本国内の発見状況をまとめながら、ヒアリとは一体どんなありなのか書いていきたいと思います。

国内でヒアリが発見された場所

7月6日現在、国内では以下の通りヒアリが確認されています。

  • 兵庫県尼崎市

    5月26日に輸入コンテナ内でヒアリを確認。当該コンテナは薬剤により燻蒸され、内部で確認された個体は、全て消毒処分されました。劣化および破損した個体が多い状態のため、働きアリの総数について正確な個体数を見積もることは困難ですが、概ねの概数として、少なくとも500個体以上になります。

  • 神戸港

    6月16日に、上記の当該コンテナが5月20日~25日の間保管されていた兵庫県神戸市ポートアイランドのコンテナヤード(PC18)における緊急調査で、舗装面の亀裂部等においてヒアリが確認されました。

  • 名古屋港

    6月27日中国広東省広州市の南沙港からきたコンテナ内でヒアリが確認されました。このコンテナは6月23日に愛知県弥富市鍋田ふ頭に到着したのち、24日に陸揚げされ27日まで保管されていました。

  • 大阪南港

    6月29日に大阪市住之江区内の倉庫に搬入されたコンテナからアリが発見されたことから、コンテナが水揚げされた大阪南港を緊急調査。殺虫剤を利用した場所からアリの死骸を回収し、7月4日専門機関により、死骸の中に女王アリであるヒアリが発見されました。

  • 品川区大井埠頭

    7月6日、大井埠頭(品川区)で陸揚げされたコンテナからヒアリ1匹が確認されています。コンテナは先月27日中国広東省から香港を経由し大井埠頭に入ってきたもので、千葉県君津市に運ばれ荷物を降ろしたのち大井埠頭に戻ってきたものです。追調査でコンテナ内で100匹以上のヒアリが確認されました。

この後も全国的にヒアリが発見されました。内陸部でも見つかっていることから、何年も前に入ってきて既に定着していたものの発見されずにいたと考えられます。

これを受けて、中国から定期的にコンテナ船が入港する全国68の港で生息調査が実施されます。8月2日横浜港を皮切りに順次調査されます。

火蟻とは

ごくごく普通の草むらに生息し、他の蟻と同じように集団でアリ塚を築きます。体調は 2.5〜6ミリで、体はやや赤みを帯びています。侵入地域で巨大なスーパーコロニーを形成し、他のアリ類や昆虫を蹴散らして定着します。

火蟻の攻撃性は高く、大きな顎で噛み付いた後、お尻の先端にある毒針で何度も刺してきます。刺されると火傷のような激しい痛みや痒みを伴うため英語では fire ant (フィイアーアント)と呼ばれます。

ヒアリに刺された時の症状と対処法

ヒアリは火蟻という文字どおり、刺されると火傷のような激しい痛みを生じ、最悪の場合は呼吸困難などを伴うアナフラキシーショックで死に至ります。アメリカでは年間約8万人が刺され、約100人が亡くなっています。

症状

  • 軽度 刺された部位の痛み、かゆみ

    刺された瞬間は熱く感じ、やけどのような激しい痛みが生じます。やがて刺された後が痒くなり、10時間ほど経つと膿が出てきます。

  • 中度 発疹

    刺されてから数分から数十分ほどで、刺されか箇所を中心に腫れが広がります。全身にかゆみを伴う発疹(じんましん)が現れることもあります。

  • 重度 呼吸困難、血圧低下、意識障害

    刺されてから数分から數十分の間に息苦しさ、声枯れ、激しい動機やめまいなどを起こすことがあり、進行すると意識を失うこともあります。この場合、アナフラキシーショックである可能性が高く、処置が遅れると命の危険を伴います。

対処法

  • 刺された直後の対処

    30分程度は安静にし、体調の変化がないか注意してください。軽度の症状のみで、悪化する様子がなければ、ゆっくりと病院を受診しても大丈夫です。

  • 容態が急変した時

    一刻も早く病院を受診し、アリに刺されたこと、アナフラキシーショックの可能性があることを伝えます。

火蟻を見つけたらどうするべきか

むやみに近づかないことです!通常の殺虫剤でも殺せますが、中途半端に攻撃すると逆に攻撃されて被害を受ける可能性があるので避けた方がいいでしょう。

すぐに環境事務所等に連絡し、周りに人にも注意喚起しましょう。

なお、駆除方法は以下の3つがあります。

  1. 熱湯をかける

    熱湯を巣穴とその周辺に注ぎます。熱湯が直接かかる範囲のアリは死にますが、巣の深いところにいるアリは駆除できません。即応性はありますが、実効性はイマイチ。

  2. 液剤をまく

    巣に直接散布します。液剤に接触したアリはもちろん死にますが、液剤に接触したアリが巣の中で別のアリに接触しても駆除効果があります。

  3. 毒餌を設置する

    顆粒状、ゼリー状の毒餌を巣の周りやアリの行列内に設置します。薬剤が持っていかれたら追加で設置します。即応性はなく、時間はかかりますが、上記の1と2よりも確実にヒアリを駆除できます。

自力で駆除する必要はありません、必ず環境事務所等に連絡し、指示を仰ぐようにしましょう!

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