CRISISをより面白く。知っておきたい警察組織と公安あるある

春ドラマCRISISがいよいよ始まりましたね。小栗旬さんと西島秀俊さん、男から見てもかっこよくて憧れます。僕は数年前まで東京都で警察官をしていたので、警察が出てくるサスペンス系のドラマはついつい見てしまいます。

ここでは、ちょっとわかりづらい警察組織と、あまりよく知られていない公安について書いていこうと思います。ベースの知識があると警察ドラマがもっと面白くなるかもしれませんよ!

1. 警察庁と警視庁

警察庁は国の行政機関で、日本の警察のトップです。全国の警察を監督し、組織のあり方や調整、法律の整備がメインのため、捜査はしません。

警視庁は東京の警察を指します。神奈川県なら神奈川県警、京都府なら京都府警、東京なら東京都警・・・ではなく警視庁と呼びます。日本の首都東京を管轄していることもあり、ちょっとデラックスな呼び方をされています。

警察庁は警視庁を監督する立場にあるので、当然パワーバランスは「警察庁 > 警視庁」と思われるかもしれませんが、そう簡単でもありません。この辺はかなり複雑になっているので割愛しますが、東京を管轄するってすごいことなんです。

2. 警視庁組織

東京の警察、警視庁の組織はこのようになっています。


出典:wowow.co.jp 「血の轍」

よくドラマで描かれるのは刑事部で、今回CRISISで描かれるのは紫色の公安部です。公安は警察とは別の組織だと勘違いしている人もいますが、同じ組織の中にある別の部署です。

3. 公安機動捜査隊の任務

公安は主にテロ、右翼団体、政治組織、外国政府の工作活動など、国家体制を脅かす事案に対応するのが仕事です。刑事部が扱う事件に比べると、公安が扱う事件は国レベルなのでちょっとスケールが大きいイメージです。事件が起こる前から、ターゲット(危険因子)の情報を収集し、監視。事件が起きた場合は隠密に捜査を行います。

なお、「部」として公安部があるのは警視庁のみ。東京には日本を代表する大企業の本社が集中していることや、皇居、国会、首相官邸、など要となる建物、組織が多数あるためです。

公安部の中でもちょっと特殊なのが公安機動捜査隊。テロ事件の初動捜査や、核兵器、生物兵器、化学兵器を用いたテロ(通称NBCテロ)の研究をする部隊です。2011年の東日本大震災では、福島第一原発事故の現場付近に派遣され、放射線量の測定を行うなど、要請があれば基本的には日本全国何処へでも行きます。

4. 公安あるある

より公安のイメージが湧く小ネタを集めて見ました。

● 隣の机の人が何をしているかすら知らない

● 家に帰るルートを毎日変える(元公安捜査員談)

→ とにかく秘密主義。刑事ドラマにたまに出てくる公安も、仲間すら監視している陰気な役回り。

● 公安を隠語でハムと呼ぶ。(公の字から)

● 外事は隠語でソトと呼ぶ。

● 警察上層部には公安出身者が多い(本当のところは、上層部になるような人はほとんどの部を経験するそうなので、とりわけ公安が多い、というわけでもないようです)

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