学習到達度調査(PISA=ピサ)とは?
PISA(Programme for International Student Assessment)の略で15歳を対象に、
- 読解力
- 数学的リテラシー
- 科学的リテラシー
について、2000年以降3年ごと調査されています。2015年調査では科学的リテラシーを中心分野として重点的に調査されており、72ヵ国の国・地域から約54万人が参加してしています。日本では全国の高校や専門学校の1年生のうち198校、約6600人が2015年6月から7月にかけて調査に参加しており、この回から筆記型からコンピューター型調査に移行しています。
日本の順位 in 2015
出典:国立教育政策研究所 OECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)のポイント
灰色に塗られている国はOECD(経済協力開発機構)非加盟国。OECD加盟国の中では科学的リテラシー、数学的リテラシーともに1位、読解力はちょっと順位が下がっています。すべての分野で1位を獲得しているシンガポール。国家予算の約2割を教育費にあてる*など充実した教育が行われているようです。(*引用 yahoo <国際学力テスト>日本、読解力低下 科学・数学は改善)
読解力がやや低いのはスマホなどの普及でまとまった文章を読む機会が少ないのが原因ではないかと言われていますが、そのような状況は他国も同じこと。直接的な原因ではないでしょう。
科学的リテラシー例題
2015年の調査で重要視された科学的リテラシー、パソコンを使って問題に答える形式です。ちょっと小さくて見づらいかもしれませんが、、例題をやってみましょう!※答えは各設問下の方にかいてあります。
渡り鳥問題
問1は右の説明を読んで、左の4択から答えを選ぶ形式です。
答えは「単独あるいは小集団で渡った鳥は、生き残って子孫を残す可能性が低かったから」(選択肢1番目)です。難易度は低く、日本の正答率は67%。
問2は右の説明を読んで左の設問に答える記述式。いくつかの答えが考えられます。
答えの例としては、
- 鳥の飛行高度が高いため、ボランティアが鳥を一部カウントし損ねる場合がある
- 同じ鳥を複数回カウントしてしまい、数が多くなりすぎる場合がある
- 鳥が大きな集団で飛行している場合、ボランティアはその集団の数を推定しかできない
- ボランティアが鳥の種類を見間違え、その種類の鳥の数が誤ったものになる場合がある
などがあげられます。難易度は中程度、日本の正答率は42%、無回答19%。
問3は右の説明を読んで左の選択肢から正しいものをすべて選ぶ選択問題。答えは一つだけとは限りません。
正解は「地図は,一部のムナグロの北上渡りルートが南下渡りルートと異なっていることを 示している。」及び「地図は,ムナグロが冬の間,繁殖地あるいは巣作りの場所から見て南および南 西の地域で過ごしていることを示している。」の両方。難易度は中程度で日本の正答率は52%。
流星体とクレーター問題
問1は右の説明を読んで左から正しいものを選択する選択式問題。
正解は「流星体が,地球の質量に引きつけられるから。」。難易度は中程度、日本の正答率は39%。
問2は左の文章が正しくなるように、「多く」または「少ない」を当てはめるもの。
正解は「少なく」「多く」の順。難易度は低く、日本の正答率は63%。
問3は左の写真を見てABCを設問の指示通りに並べる問題。
正解は問3Aは左からA、C、B。問3Bは左からC、A、B。難易度は低く、日本の正答率はそれぞれ90%、88%。
以上の例題は国立教育政策研究所PISA2015年調査問題例から一部の問題を抜粋したものです。この「渡り鳥問題」と「流星とクレーター問題」は簡単だったと思います。