オーケストラには様々な楽器プレイヤーがいて、曲にもよりますがだいたい50人くらいの団員がいます。中でもバイオリンはファーストバイオリンとセカンドバイオリンの2つのパートがあるため人数が多くなっています。
弾いている姿が優雅(そうに見える)だったり、主旋律(主となるメロディー)を弾くことが多いバイオリンはオーケストラの中でも人気があります。
ここでは、オーケストラでも花形と言われるバイオリンを紹介します。これからバイオリンを弾いてみたいと思っている人や、オーケストラで弾いてみたいと思っている人向けです。
オーケストラにおけるバイオリンの位置づけ
バイオリンは弦楽器です。オーケストラの弦楽器にはバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスがいて、高い音域を担当するバイオリンから一番低音のコントラバスまで、楽器サイズはだんだん大きくなっていきます。
ファーストバイオリンとセカンドバイオリン
バイオリンはファーストバイオリンとセカンドバイオリンの2つのパートが存在します。同じバイオリンですが、演奏する楽譜も役割も違います。
ファーストバイオリンは高音域、セカンドバイオリンはその下の音域を弾いていることが多く、アマチュアオーケストラでは楽器経験者がファーストを、未経験またはスロースターターがセカンドを弾いている傾向があります。
座る位置
楽団や曲によってどの楽器がどこに座るのかは少し違いますが、ファーストバイオリンはどの楽団でも必ず向かって左側(指揮者の左側)にいます。
また、ファーストバイオリンの先頭に座っているお客さんに近い方の奏者をコンサートマスター、またはコンサートミストレス(略してコンマス、コンミス)といい、バイオリンの中で一番上手な人がなります。
コンサートマスターは演奏が始まる前のチューニングで指示をしたり、オーケストラ全体の舵をとったりするのが役目です。
弦楽器はコントラバスを除いてひとつの楽譜を2人で見ます。2人1組の列を「プルト」と言い、指揮者に近い方から、いちぷる、にぷる、さんぷる、よんぷる・・・と呼び、また、お客さん側に座るポジションをアウト、中に座るポジションをイン、と呼びます。例えば5プルのアウト、などのように言います。
アウトに座った人はお客さんから丸見えですので、やはり上手な人が座ることが多いです。また、1プルイン(コンマスの隣)に座る人は次期コンマス候補です。
だいたいのアマチュアオーケストラでは、2プル3プルくらいまではやはり上手な人が座っていて、それ以降はくじ引きだったりします(笑)。お客さんの視線は指揮者やコンマスに集まりやすいので、後ろのプルトに行けば行くほど目立ちにくいですが、指揮者の棒が見え辛くなるので難易度的には上がる気がします。また、一番後ろのプルトになると後ろからの音がないため、テンポに乗り遅れやすいという難しさがあります。
バイオリンの構え方
バイオリンは左の肩に乗せ、顎で挟むように構えます。長年バイオリンをしていると鎖骨や顎の下の方にあざができることがあります。また夏や舞台の上は暑いのでバイオリンを挟んでいるところは汗をかきやすく、ハンカチを挟んで引く人もいます。
ご存知のように左手で弦を抑えて右手の弓で弾きますが、案外右手の方が難しいです。表現したい音を出せるかは弓の扱い方がとても重要なのです。
次の項目で触れますが、弓は表現においてとっても重要なので、楽器本体より高価なものを使っている人もたくさんいます。
楽器について
音階練習
バイオリンには4本の弦が張られていて、低い方から順に「ソレラミ」です。
この弦を左手で抑えることによって欲しい音を出していくわけですが、弦や指版に目印がついているわけではありませんので、練習をしながらここを抑えたらドの音がでる、といったように体で覚えていくしかありません。バイオリンを初めて弾く人は、最初のうちはひたすら音階練習をすることになります。
バイオリンの値段
アマチュアオーケストラのバイオリン奏者が使っている楽器の値段は本当に人それぞれです。百万円を超える楽器を使っている人もいますし、初心者の時に買った10万円程度の楽器を使っている人もいます。弓も安価なものから高価なもの、それぞれです。
あるテレビ番組で、音大生の弓は最低でも2~300万円って某バイオリニストが言ってました。まじかよっ!て思いました。
例えば音楽コンクールに出るとしましょう。ピアノコンクールなら、出場者はみな会場のピアノを使います。よって、音の良し悪しは本人の技量のみ。とても公平です。
でも、バイオリンは各自持参です。どんな楽器を使っているのかで、演奏の前から条件が異なってきます。高価なものが絶対というわけではありませんが、ある程度のものを買わなければコンクールでも通用しないという世界です。
趣味で楽しむ分には無理して高い楽器を買うことはないでしょう。