携帯電話番号は現在主に090と080から始まっていますが、今後のさらなる需要に対応するため060番号を解放する考えがあることを総務省が発表しました。
ここでは携帯電話が提供され始めてから番号がどのように現在のかたちに収まったのか、060番号によって何件分増えるのか、契約件数、未使用番号など総務省発表のデータを交えて紹介します。
携帯電話番号の時代の流れ
まずはこれまで携帯電話の番号がどんな流れをたどってきたのかおさらいします。
- 昭和54年
携帯電話の提供が開始。10万番号が使用。
黒いサイドバックみたいな大きな携帯電話ですね。そんなに使っている人はいなかっただろうと勝手に思っていましたが、10万番号が使用されていたとは驚きです。 - 平成11年
携帯電話の爆発的な普及に伴う番号需要増に対応するため、それまで 使用されていた番号帯(010/020/030/040/080/090)を 090 番号帯に集約。また、10 桁から 11 桁への桁増しを実施。 - 平成14年
携帯電話番号を 080 番号帯にも拡大 - 平成20年
契約件数が1億権を超える - 平成25年
PHSで利用されていた 070 番号帯を携帯電話に向け拡大 - 平成26年
携帯電話とPHSの間の番号ポータビリティーを導入し携帯電話・PHSの番号は 090/080/070番号帯に共有化 - 平成27年
3月末に契約件数は1億5270万件に到達。年間800万件程度の増加が続いている
需要の増加に伴って現在では090/080/070で始まる11桁の電話番号の合計2億7000万番号(!)を割り当てています。個人で持っているだけなら増えないでしょうが、業務用の携帯電話や個人でも2台持ちの人も増えているので、平成30年頃には指定可能な番号が不足する予測がされています。(下図)
出典:総務省情報通信審議会平成27年10月16日資料
僕の周りの人には080が多いですが、080番号はすでに割り当てが終わっていて、新たな番号を解放しない限り 070番号もすぐになくなってしまいそうですね。070番号が解放されたのが平成25年、約5年というとんでもない速さで番号が消費されていることがわかります。
060番号帯解放!
増え続ける需要に対応するため次に解放となったのは 090/080/070 と隣接する 060番号帯!060番号を携帯電話に解放することによって9000万番号が増えるといいます。
理論上は 060 以降の8桁を0〜9の10個の数字から選ぶから10の8乗(1億番号)増えるかなと思いますが、全部同じ数字が並んだらダメとか、色々制約があるのでしょう。
現段階では060を解放するために省令の改正などの準備に入る、と宣言されただけで具体的にいつ頃かははっきりしていません。
高市総務大臣閣議後記者会見のコメント(平成29年6月27日)
現在、「060」で始まる11桁の番号は、制度上、FMCサービス等の専用番号として用途が定められております。しかし、実際の利用は全くなされていない状況にございます。
一方で、「070」「080」「090」で始まる11桁の電話番号は、現在、携帯電話向けとされていますが、未指定の電話番号が残り少なくなっています。
そのため、「060」を将来の携帯電話番号向けに留保すべく、FMC等専用番号を現行の「060」番号帯から「0600」番号帯に移行するための省令改正案を、今月23日、情報通信行政・郵政行政審議会に諮問したということでございます。
なお、今般の省令改正案ですが、FMC等専用番号を移行させることとしており、移行後の「060」番号帯については用途を定めておりません。
今後「060」を携帯電話向けに開放するかどうかにつきましては、「070」など、現在の携帯電話番号の利用状況も踏まえながら検討する必要がございますので、実際の開放時期については、今の時点では未定でございます。
※060番号の運用が始まっても、解約された番号を再利用することもあるので、新規契約した場合は090番号になることもあります。