米軍がISISに投下した爆弾MOAB(モアブ)とは?

米空軍が過激派イスラム組織ISISの討伐作戦のため、MOABを投下したとう報道がされています。投下されたのはパキスタン国境にほど近いアフガニスタンナンガハール州のアシン地区。ISIS戦闘員が利用するとされるトンネルのような建造物を破壊する目的。

この爆弾はベトナム戦争から構想があり、イラク戦争でも準備されていましたが実際には使用されず、今回の実戦利用は史上初。核を除けば史上最大の破壊力を持つといわれる MOAB。投下の是非はともかく、ここではMOABがどんな爆弾なのか見ていきたいと思います。

大規模爆風爆弾 MOABの大きさ

出典:foxnews

MOABとはMassive Ordnance Air Blast Bombで、

Massive 巨大な

Ordnance 武器、兵器

Air Blast 爆風、衝撃波

Bomb 爆弾

の頭文字を一つずつ取ってきています。

「巨大な」という単語が入っているからもわかる通り、とにかくでかい。

アラバマ州の航空会社 Dyneticsによって設計され、全長約9.1メートル、重さ約9.8トン。約8トンの爆発物(トリトン、TNT(トリニトロトルエン)、アルミニウム粉末の混合剤)を搭載している。

あまりに大きいため普通の戦闘機には搭載できず、輸送機のMC-130機などで運ばれます。



MOABの威力

爆発時の破壊範囲を広げるために作られたこの爆弾の威力は、直径約150メートルの樹木を根こそぎ吹き飛ばすと言われます。MOABの構想がベトナム戦争時だったこともあり、ジャングルを一掃するような爆弾を作りたかったのでしょう。実際にベトナム戦争で使われた特殊大型爆弾「デイジーカッター」の発展型として2003年のイラク戦争で準備されていました。

150メートルがどれくらいか、地図の東京駅上で円を描くとこんな感じになります。※東京駅を選んだのは特に意味はないです。

東京駅は150メートルより大きいですが、ほとんど吹き飛んでしまうことがわかります。

核を除けばその破壊力は史上最大、また、破壊力の強さから核ではないものの「小さな核兵器のようだ」と言われますが、MOABは放射線を放出したり、爆発の中心温度が高温になったりはしません。

「全ての爆弾の母」と呼ばれたりもします。Mother Of All Bumb、この頭文字もMOABですね。ちなみにロシア製のMOABは「全ての爆弾の父」と呼ばれ、米国製のそれが直径150メートルを吹き飛ばすところ、ロシア製は直径300メートルを吹き飛ばすようでうす。

投下のコスト

MOABはひとつ約1,600万ドル(約17億円)。ペンタゴンが所有する「最も恐ろしい爆発兵器」と考えられています。アメリカのサイト heavy.comによると、米軍がこれまでMOABの生産に費やしたお金は3億14万ドル(約345億円)。

アメリカはなぜMOABを投下したのか?

オバマ前大統領は一般市民の巻き添えを心配してMOABを使用しませんでした。しかし今回トランプ大統領は使用。なぜでしょうか?

当該地区ではISISの侵略によって一般市民は逃げ出しており現在はISISの戦闘員しかいないこと、また、ISISがトンネルや地下壕を張り巡らし要塞化しているためこれを崩す必要があったとしています。

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