陸上自衛隊の制服が変わる?緑から衝撃の紫へ【画像】

警察官やパイロット、消防士など制服を着用する仕事は数多くあります。自衛隊もご存知の通り制服があります。

自衛隊と聞いて真っ先に思い浮かぶ迷彩服も制服ですし、結婚式などの式典で着用する制服もあります。制服は見た目のカッコ良さもさることながら、チームへの帰属意識や使命感を奮い立たせてくれる大切なアイテムのひとつ。この制服がとんでもなくダサかったらモチベーションも下がってしまいます。

自衛隊は時に海外の軍隊と交流がありますし、海外に駐在している海外武官は日本の自衛隊を代表して活動をしているので、第一印象を決める制服のデザインはとても重要です。

さてここにきて、陸上自衛隊の制服が変わるという話が出てきていますので紹介します。

1. 現在の制服【画像】

まずは現在の制服を見て行きましょう。比較しやすいように海自と空自も一緒に載せます。

出典:平成28年版防衛白書

少し見辛いですが色はモスグリーン。陸上自衛隊らしい緑色で、JRに間違われることもあるそうです。右腕に所属する部隊の部隊章、左胸には職務や技能、表彰などの印がつきます。

陸海空と似たような感じでバランスが取れていますよね。派手すぎず、ダサすぎず、それぞれの特徴を示したカラーリングです。これを変える必要が本当にあるのか疑問なところです。

2. 変更後の制服

2-1. 儀仗隊の新制服

儀仗隊(ぎじょうたい)といって、天皇や皇族、高官、外国の賓客などに対して、儀礼や警護を行う部隊があります。この儀仗隊用の新制服は2017年3月に発表され4月から運用されています。

それがこちらです。

出典:陸上自衛隊

冬服はこの画像ではわかりにくいですが、青の中でも紫よりでこんな感じの色。青という人もいれば紫という人もいる、という色です。

2-2. 一般部隊の新制服

一般部隊の新制服はまだお披露目になっていません。しかしながら、儀仗隊の制服は一般部隊の自衛官が着用する制服とほぼ一緒ということから、この制服がほぼほぼ新しい制服であるといえます。

一般部隊の制服では、以下の違いが見られると予想されます。

・腰のベルトがない
・肩からかかっている紐がない
・パンツの横に走る縦の赤ラインがない
・腕の赤ラインがない

国賓を迎える儀仗隊の制服は少し派手目で、一般部隊の隊員用は少しシンプルなデザインとなるでしょう。それにしても陸上自衛隊でなぜこのカラーリングなのかっ。

2-3. なぜこの色?

まずは3つの自衛隊の現在のイメージカラーを押さえておきましょう。前述の制服写真からもわかります。

陸 ー 緑
海 ー 白
空 ー 青

そして、3つの自衛隊を統合して仕切る「統合幕僚監部」のイメージカラーは紫です。なぜ陸自の色を紫にする必要があるのか?そこには少し大人気ない事情があるようです。

主役は当時の陸上幕僚長・岩田清文氏。陸上幕僚長は陸上自衛隊のトップです。岩田氏は平成25年8月にこのポジションにつき、同年12月制服改定の検討を始めます。

岩田氏は自衛隊トップの座・統合幕僚長を狙いながらも、自身の急進的な改革路線と自衛隊内部の様々な不祥事によって平成28年7月に退官を余儀なくされました。

岩田氏が紫にこだわった理由として、「統幕長を狙いながら勇退を余儀なくされた岩田氏の独善的な思い入れ」と隊員からは揶揄され、「自衛隊を仕切るのは俺たち陸自だ!」と言わんばかりのカラーチェンジに海自と空自からは批判も出ています。

3. なぜ制服が変更される?

そもそもなぜ制服が変更されるのでしょうか。陸自は儀仗隊の制服を一新した理由を次のように説明しています。

「約50年間デザインが更新されていないことを踏まえ、国賓等の特別儀じょう任務の更なる任務の充実のため、現代的なデザインに改正」

デザインに関してはデザイナーのコシノジュンコさんが監修しており、

「コンセプトは「威厳」「伝統」「統制美」「華やかさ」で、全体的に現代的なシャープなシルエットで、服装の統制が保たれる詰襟タイプを採用」

部外有識者や隊員の意見を踏まえて具体化したそうですが、隊員からは「外資系エアラインの制服のようだ」「まるでサンダーバード」という声が上がっています。

4. 制服を変更するのに必要なお金

儀仗隊の新制服は1着約12万円。

なお、自衛官の制服は「防衛省の職員の給与等に関する法律施行令」の中の「被服の無料貸与及び支給」という項目で、何をいくつ貸し出すか決められています。迷彩服などは別として、前述の写真にあるような制服に関する定めは以下の通りです。

冬服(上衣及びズボン又はスカート)2組
夏服(上衣及びズボン又はスカート)2組
正帽 1個
ワイシャツ 2着
ネクタイ 1個

つまり1着12万円でも1人当たりにすると約50万円。儀仗隊の新制服には隊員280名分の予算として1億4000万円とされています。

仮に、全陸上自衛官の制服を同じ50万円で一新した場合、人数は約14万3千人(平成28年8月30日時点)ですので、単純計算でトータル715億円になります。2017年の防衛費予算は5兆1251億円。北朝鮮問題が緊迫している今、こんな大金を制服に使っていいのだろうか・・・。

5. まとめ

・陸上自衛隊の儀仗隊の新制服は4月から運用を開始している
・新たなカラーリングは紫に近く、前陸上幕僚長の独善的な思入れで決定
・1人あたり50万円
・このモデルチェンジは儀仗隊に止まらず、一般隊員にも及ぶと考えられる

制服よりも官舎や戦闘服の充実を図るべきでは、という声も隊員からは聞こえてきます。営内で生活する隊員の洗濯機の数が足りず、梅雨の時期や演習で何日もキャンプ生活して帰ってきた後は洗濯機に長い行列ができる、というところもあります。このような環境にあるのは「基地」ではなく「駐屯地」を置く陸上自衛隊に見られます。

また、陸自の個人装備(弾納やボディーアーマー)は海外の軍に比べ使いにくく旧式で運動容易性にかけます。

その陸上自衛隊がすでに1億円超をかけて制服を一新。住みにくい営内に動きにくい装備品、それなのに制服はモデルチェンジ。陸上自衛隊の新制服は内部の隊員からも、納税者からも受け入れられるには無理がありそうです。

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